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湯河原町(神奈川県)

時の流れに身を任す、
芸術家たちも旅した温泉郷

2017/03/31

湯河原。ここは夏目漱石、芥川龍之介、与謝野晶子をはじめとする多くの芸術家たちが、過酷な創作活動で疲れた心身を癒し、次作のアイデアを練るためにやってきた温泉郷。どうして他の温泉場ではなく、この町が通に愛されてきたのか? その理由が知りたくて、東京から約1時間、電車に揺られてやってきました。

文人、画人の名残にあふれる旅館。
評論家、小林秀雄もこの地を愛したひとり。昭和14年創業、現在も変わらず奥湯河原に旅館を構える「加満田」に逗留し、水上勉ら文壇仲間と交流を深めていたといいます。それを示すように館内のあちらこちらには有名作家らの直筆の書。

また、たくさん見かけることができるもうひとつのものといえば、なんとも味わい深い河童の絵。これ、どこかで見たことあると思ったら……。「黄桜の河童絵でお馴染みの漫画家、清水崑先生のものです。とても可愛いのでマスコットのように使わせていただいています」(「加満田」女将・鎌田るりこさん)。

名作『夜明け前』が生まれた場所。
島崎藤村が足繁く通い、今もファンが後を絶たないのは明治21年創業で湯河原温泉の真ん中、万葉公園の入り口に位置する旅館「伊藤屋」。
「当時あった『1番』というお部屋を気に入っていただいていました。長編小説『夜明け前』の原案を練られたのも当館だったようです」(「伊藤屋」館主・伊藤信之さん)の言葉を受けて当時から変わらずある中庭を覗くと、なんとも不思議な気分。激動の明治の時代に精神をゆるやかに壊していく主人公、青山半蔵と一家の行く末を一体どんな思いで描いていたのでしょうか。
京都画壇の代表も湯河原へ。
文人だけでなく、画人にも愛されていた湯河原。夏目漱石が逗留していた旅館「天野屋」を改装した「町立湯河原美術館」では湯河原ゆかりの作品をじっくりと楽しむことができます。特に圧巻は日本画家・竹内栖鳳の作品群。京都画壇の代表である竹内栖鳳ですが、晩年の静養にあてたのがこの湯河原でした。

なんにもせずに、ただただ休息をする。それは現代人にだって、必要なこと……。

そんな文人たちの声が春の風に乗って湯けむりの向こうから届いた気がしました。最近疲れているなぁと思ったら、文庫本を携えて湯河原へ行ってみませんか。なんにもしない贅沢な時間が、きっとあなたを癒してくれますよ。

文:白井千遥 写真:市岡祐次郎、三浦千佳

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