MENU

今治市(愛媛県)

唯一無二、
白いタオルが生まれる街。

2017/05/02

お風呂上りに上質なタオルで体を拭くことって、ささやかだけれど確かな幸せだと思います。見た目にはたっぷりのボリュームがあるのに、持ち上げればどこまでも軽やか。体にそっと滑らせれば、肌はしっとりしたまま余分な水気を吸い取ってくれる。この喜びを教えてくれたのが、友人からプレゼントしてもらった今治のタオルでした。以来、誰かに贈り物をするときの第一候補は、今治タオルが長らくその地位を確保しています。そんな風ですから、今治を旅するなら行っておきたい場所がありました。それは、リニューアルオープンしたばかりの「今治タオル本店」。今日の今治タオルブームに火をつけたクリエイティブディレクター・佐藤可士和氏が空間デザインを担当したそこは、タオル織機に使われる通じ糸をモチーフにした什器を中心にバスタオル、フェイスタオル、タオルマフラーなど400種、2万点以上が揃うと聞けば、これは無視するわけにはいきません。

タオルづくりに欠かせない、清らかな水。
現在、今治市は国内のタオルの5割以上を生産する日本一の産地。肌ざわりがやさしく、洗濯を繰り返してもくたびれにくい良質なタオルは、世界からも注目を集めています。「糸や生地を乾かすためには、気候が温暖で雨が少ないことが大切。それから水をたくさん使うので、地下水が豊富であることも欠かせません」と語るのは、今治タオル工業組合の専務理事・木村忠司さん。「この街に流れる蒼社川の水は不純物が極めて少ない軟水で染色に最適。この水で染めると、風合いもやわらかくなるんですよ」と話してくださいました。
起死回生を生んだ、今治のプライド。
しかし、これまでの道のりは順風満帆ではなかったと言います。「一時は海外メーカーとの価格競争の波に飲まれ、最盛期の5分の1にまで生産量が落ち込みました」と木村さん。そんな厳しい状況から起死回生を遂げたのは、「本当にいいものだけを届ける」という作り手たちの誇りでした。糸さばき、織りの技術、染料の調合、今治ならではの先晒し先染めなどに加えて、「5秒ルール」もこだわりのひとつ。タオル片を水に浮かべたときに5秒以内に沈みはじめるかどうか。今治タオル最大の特徴である高い吸水性を守るために独自の基準が設けられています。
今治タオルの代名詞、「白いタオル」。
さて、そんな想いを知った上で改めて本店内にあるタオルたちを手に取ると、一枚一枚がとっても愛おしく思えてくるから不思議。売り場面積の中でもひと際大きな場所を占めているのが、今治タオルの代名詞ともなった「白いタオル」シリーズです。これは、本質の良さを感じてほしいという願いを形にしたもの。白いタオルなんてどれも同じなんて思っていたら大間違い。色味も織り方も肌ざわりも千差万別。たとえば「サラリとワッフル」はその名の通り軽やかな質感、一方「すごいホテル仕様タオル」はがっしり重厚。手に取れば取るほど目移りしてしまって、うーん悩む!

「一日の最後を気持ちよくしてくれる、それがタオルだと思うんです」と木村さんは語りました。「仕事で疲れて帰ってきてお風呂に入って、ふわふわのタオルに包まれる。最高ですよ」と笑顔がはじけます。たかが日用品なのかもしれないけれど、毎日使うものだからこそ一人ひとりが思い入れを持てるのがタオルの良さなのかも。心のザワザワをさっと拭き取ったり、胸の高鳴りをふわりと包んだり。穏やかな気候と清流の街で生まれたタオルは、心豊かに暮らすアイテムのひとつと再確認した一日でした。
さ、次の目的地は、やさしいタオルを育んできた蒼社川そばの鈍川温泉。吟味を重ねたタオル片手に、いいお湯と「最高の一日の終わり」をいただいてきます!

文:白井千遥 写真:三浦千佳、今治タオル工業組合、今治市 提供

今治市に関連する記事

最新記事

山形市(山形県)
「日本を愛でる心」が息づく街。
湯河原町(神奈川県)
自然のいぶきを感じる温泉郷
高岡市(富山県)
ものづくりの粋と華が出会う街
宇部市(山口県)
アートと笑顔が咲く街

OFFICIAL SNS

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram