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弥彦村(新潟県)

越後文化が生まれた地で
パワーチャージの旅。

2017/10/27

「古代、日本海を渡り、弥彦山の西にある海岸に上陸した」と言われるのは天照大神の曾孫である天香山命。上陸以来、天香山命は海水から塩をつくる方法や、網や釣り針を使った漁法、米づくりの方法を越後で暮らす人々に伝授。さらに在の燕市や三条市で盛んな製鉄の技術もまた、天香山命が伝えたとされています。
そしてそれこそが漁業、農耕、モノづくりといった豊かな越後文化のルーツがここ、新潟県弥彦村にあると言われる所以。その神聖なる空気に触れるため、この地を訪ねることにしました。

祈りと憩いの場所、彌彦神社。
隣接する燕市街地から彌彦神社を目指すと、徐々に姿を現すのが巨大な朱の鳥居でした。これは1982年に上越新幹線開通を記念して建てられたもので、高さ30mを誇る日本一の大鳥居。少し手前で車を降りて歩いて近づくと、さらにその大きさに圧倒されます。まさに外の世界と神の領域を隔てているかのよう! そしてこの大鳥居をくぐって、視線を伸ばした先に広がるのが弥彦山。その麓に、最初の目的地、彌彦神社が待っています。
この日、私たちを案内してくださったのは、ここで代々神職を勤める社家に生まれた高橋良直権禰宜。「もともとあった本殿は明治末の大火でほとんどが焼失してしまいました。今あるものは、大正初期に再建されたもの。その当時の宮司を務めていたのが高松四郎というひとなのですが、この方がまたユニークだったんです」

なんでも高松宮司は越後のひとたちには心身ともに健やかになってほしいという思いから、神社の敷地内に運動競技場を建設(現在は日本で唯一に村営競輪場として利用!)。さらに参拝だけでなく、家族の憩いの場としても愛されてほしい、と奈良県にある春日大社から鹿を譲り受け、神社内で飼育をはじめるなど、越後の人々と神社を結ぶ取り組みを次々と行いました。樹齢数百年の木々に囲まれて背筋が伸びるような清々しさを感じる一方で、どこかのんびり穏やかな心持ちになるのはそのおかげでしょうか。神聖でいて、優しい。そんな空気が境内にはずっと漂っていました。
さて、本殿での参拝を済ませたら、ぜひ試していただきたいものがあります。それが、地元では「重い軽いの石」と呼ばれる「火の玉石」。
「パワースポットとしてテレビで紹介されたこともあって、これを目当てに来られる方も増えてきましたね」とは高橋権禰宜。大小あるこの石、は願いを心の中で唱えながら持ち上げます。そして成就が近いなら軽く持ち上がり、遠いなら重いというもの。いざ挑戦すると、ぐぐぐ……、重い……。そんな隣で軽々と持ち上げるカメラマン氏。うーん、私にはまだまだ修行が足りないのかも。

なんでも高松宮司は越後のひとたちには心身ともに健やかになってほしいという思いから、神社の敷地内に運動競技場を建設(現在は日本で唯一に村営競輪場として利用!)。さらに参拝だけでなく、家族の憩いの場としても愛されてほしい、と奈良県にある春日大社から鹿を譲り受け、神社内で飼育をはじめるなど、越後の人々と神社を結ぶ取り組みを次々と行いました。樹齢数百年の木々に囲まれて背筋が伸びるような清々しさを感じる一方で、どこかのんびり穏やかな心持ちになるのはそのおかげでしょうか。神聖でいて、優しい。そんな空気が境内にはずっと漂っていました。
さて、本殿での参拝を済ませたら、ぜひ試していただきたいものがあります。それが、地元では「重い軽いの石」と呼ばれる「火の玉石」。
「パワースポットとしてテレビで紹介されたこともあって、これを目当てに来られる方も増えてきましたね」とは高橋権禰宜。大小あるこの石、は願いを心の中で唱えながら持ち上げます。そして成就が近いなら軽く持ち上がり、遠いなら重いというもの。いざ挑戦すると、ぐぐぐ……、重い……。そんな隣で軽々と持ち上げるカメラマン氏。うーん、私にはまだまだ修行が足りないのかも。

越後文化の祖が眠る山へ。
「本殿で祀っている天香山命と、その妻のお墓があるのが弥彦山なんです」と高橋権禰宜に教えていただいたこともあって、次に弥彦山山頂を目指すことにしました。標高は634cm、地元の小学生でも歩いて登る山ですが、今日はのんびりロープウェイで。5分ほど揺られて山頂駅へ到着すると、そこで待っていたのは佐渡がくっきり見える日本海の大パノラマでした。私たちと同じようにロープウェイを降りて駅から出てきたひとみんなが、「わあ」と子どものように頬を緩めるのもわかります。だって、本当に気持ちがいい。海岸に上陸した天香山命が最終的にこの山に身を落ち着けたのも納得。きっとこの美しい日本海の風景を心から気に入ったのではないでしょうか。

天香山命とその妻のお墓は、山頂駅から小径を歩いて15分ほどの彌彦神社奥宮にありました。こちらもやはり見晴らしは抜群。亡くなった後も夫婦ふたりでこんな場所に眠れていいなあと思っていたら、どうやらここは縁結びの名所としても有名なよう。素敵な出会いをお求めの皆さん、弥彦山に訪れたなら少し足を伸ばしてぜひ彌彦神社奥宮までどうぞ。

たくさん歩いて、お腹が空いたら。
彌彦神社境内の散策や、弥彦山へのハイキングでお腹が減ったら(今日はロープウェイを使ったけれど)、神社の周辺に点在する村の名物料理やお菓子でお腹と心を満たしましょう。
新鮮な海の幸を頂くなら、彌彦神社一の鳥居から300mほど離れた外苑坂通りにある割烹「吉田屋」へ。近隣の漁港で水揚げされた地魚が揃うこちらの人気メニューは「わっぱ飯膳」です。温かなわっぱの蓋を開くと、鮮やかな鮭やイクラが目に飛び込んできて、とっても華やか。美人女将の笑顔も素敵で、旅のリフレッシュにぴったりです。

そして門前町をぶらりと歩きながら食べるなら、ご当地グルメグランプリにも輝いた「よろずや狩谷の『やひこ娘イカメンチ』」がおすすめ。細かく刻んだイカのミンチに隠し味の挽肉やタラのすり身、タマネギを混ぜ合わせた上に、特産の枝豆「弥彦むすめ」を加えたメンチカツ。揚げたてを受け取り早速頬張ると、サクッと小気味のいい音!そしてイカや枝豆のコリコリとした食感が癖になって、どんどん食べ進めてしまいます。

このあたりでそろそろ甘いもの、というなら「分水堂菓子舗のパンダ焼き」がベスト。名物お母さんが一枚一枚丁寧に手焼きするのは、たい焼きのようにあんこを生地で挟んだ和スイーツ。人気の白パンダ焼きはもっちりとした生地の中に包まれた枝豆入りのあんこが素朴な甘さで、じんわり心を解きます。取材中も老若男女がこの味を求めて絶え間なくやってきます。多い日には1000枚以上も売りあげるというほどの人気ぶり。完売次第終了してしまうので、気になる方はお早めに!

他にも彌彦神社の周辺には、美味しいものがたくさん。定番人気でどこの土産物屋でも見かけるらくがん「誠月堂の玉兎」はゆっくり口の中で溶かしても、カリッと噛み砕いても優しい甘さ。遠方からのリピーターも多い「成沢商店のカレー豆」は甘みとスパイスのバランスが絶妙で、お茶請けはもちろん、ビールにも合いそう!
さて、食べ歩きに精を出しているうちに、いつしかすっかり夕暮れ時に。さあ、最後は天然温泉「さくらの湯」で、のんびり体を癒すとしますか。心、お腹、体、ぜんぶにパワーがもらえる弥彦村の旅。ちょっと毎日に疲れたら、ここに来るのがおすすめです。レンタカーを走らせる車中で窓の外を見ると、そこには大きく横たわる弥彦山。今も天香山命が、あの頂から越後のまちを見守っているのでしょうか。秋の空が陽に染まる中で、山がなんだか笑っているように見えました。

文:白井千遥 写真:市岡祐次郎

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